ガラス内部の微小領域におけるフェムト秒レーザー誘起構造変化のメカニズムの研究
Project/Area Number |
03J05141
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂倉 政明 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フェムト秒レーザー / レーザー加工 / ガラス / 時間分解観測 / 屈折率分布 / 過渡レンズ法 / 衝撃波 / 熱拡散過程 / 導波路 / 位相回復 / 熱歪み緩和 / 屈折率 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーをガラス内部に集光照射すると、集光点付近のみの非常に強いレーザー電場によって非線形イオン化過程が引き起こされ、密度上昇や空洞の生成などの構造変化が生じる。この現象は、近年レーザー加工の分野で非常に注目を集めているが、構造変化のメカニズムは明らかにされていない。本研究では、ソーダライムガラス中のフェムト秒レーザー集光照射部分の屈折率分布の時間変化を観測し、レーザー照射後に起こる温度上昇、熱歪みの緩和、熱拡散過程を明らかにした。 この研究によって明らかになった最も重要なことは、フェムト秒レーザーをガラス内部に集光することによって、集光部分のガラスの温度が1ピコ秒以内で上昇し、その後の熱歪みの緩和過程によってガラス内部に衝撃波が発生することである。レーザーのエネルギーを吸収している領域は数μm^3であり、このような微小な領域の温度上昇によって衝撃波が発生するためには、ピコ秒以下の時間幅を持つレーザーパルスが不可欠であることを理論計算により明らかにした。 また、最終的な構造にまで緩和するナノ秒からマイクロ秒までに起こる屈折率分布の変化の観測も行い、レーザー照射によって高温になった領域が変化していく過程を明らかにした。その結果、半径0.5マイクロメートル以下の非常に小さな領域が高温になっているということが明らかになった。 本研究で得られた知見は、フェムト秒レーザーがガラス内部の微細加工に有効である理由をダイナミクスの視点から明らかにした点で非常に重要で新規なものであり、パルス形の制御によって構造変化をコントロールするといった新しい加工技術を発展させる上でも有用な情報である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)