Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.ポリドメイン液晶ネットワークを作製し、これを液晶溶媒中で膨潤させた液晶ゲルのネマチック秩序化とこれに伴う体積相転移のダイナミクスを調べた.ネマチック(N)相と等方(I)相の各相間の温度ジャンプによって誘起される膨潤(収縮)過程および液晶相転移過程は,目標温度(T_d)とゲルのN-I相転移温度(T_<NI>^G)の差に強く依存することがわかった.T_dがT_<NI>^Gより十分に高い場合,N→I相転移は昇温途中に完了し,等方相ゲルの膨潤が進行した.T_dがT_<NI>^Gより1〜5℃程度高い場合には,N→I相転移を伴いながら膨潤する前期過程と,完全にI相となったゲルがさらに膨潤する後期過程が観察された.T_<NI>^G近傍への昇温(降温)ジャンプした際のN→I(I→N)相転移は,不均一核生成と成長過程に支配され,これに伴う膨潤(収縮)も不均一に進行することが明らかになった. 2.モノドメイン液晶ネットワークを作製し,等方性溶媒あるいは液晶溶媒中での相挙動と異方的な膨潤挙動を調べた。等方性溶媒系・液晶溶媒系共に,膨潤度(Q)の温度依存性はポリドメイン液晶ゲル系とほぼ同様であった.つまり,液晶ゲルの膨潤度(体積)は液晶分子の巨視的な配向の有無に影響されることはなく,液晶ドメイン内の微視的な配向のみに支配されることが明らかになった.また,モノドメインネマチック相へ連続的に転移し,転移温度領域での膨潤度(Q)は温度の低下と共に連続的に減少し,液晶の配向方向に伸びた異方的な形状変化が見られた.モノドメインネマチック相の温度領域では,ゲルは液晶の配向方向に伸びた形状異方性を示し,温度の低下と共に形状異方性は増加することがわかった. モノドメイン液晶ゲルの体積変化挙動を記述する理論を構築し,実験結果との比較を行ったところ,理論は実験結果の特徴をうまく予測することがわかった。
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