Project/Area Number |
03J05336
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 茂太郎 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ポリリン酸 / ATP / NADキナーゼ / X線結晶構造解析 / 進化生物学 / タンパク質工学 / 結核菌 / 構造機能相関 |
Research Abstract |
本研究では、ポリリン酸とATPの両方をリン酸供与体として利用する、ポリリン酸/ATP-NADキナーゼのアポ型及びホロ型のX線結晶解析を行い、NADキナーゼの基質結合部位と触媒部位の存在状態、並びにNADキナーゼの反応触媒機構を明らかにすることを目的とし、結核菌由来NADキナーゼ(Ppnk)のアポ型、並びに基質であるNADとの複合体(Ppnk-NAD)のX線結晶構造を決定し、以下のことを明らかにした。Ppnkはα/β/αから成るN末端ドメインと、2枚の逆βシートから成るC末端ドメインから構成されており、両ドメイン間のクレフトにNADが1分子結合していた。Ppnkは結晶構造でも、溶液中と同様に4量体の分子構造を形成していた。PpnkとPpnk-NADの構造を比較すると、C末端ドメインに存在する、1本のループの構造が大きく異なっていた。このループは、サブユニット間の結合に関与しており、さらに隣り合うサブユニットにおけるNADの結合に関与していることも示唆された。また、NAD結合サイトの詳細を検討した結果、これまでNADキナーゼの1次構造のアライメントにおいて見いだされていた保存領域が、NAD結合サイト形成に関与していること、並びにNAD結合に関与している新しい保存領域を見いだした。また、NAD結合サイトの形成には、隣り合うサブユニット由来の残基(Asp189及びHis226)が関与していることを明らかにした。以上の知見から、Ppnkにおいてサブユニット間の結合が、NAD結合サイトの形成に重要であることを示した。今回明らかにしたNAD結合サイトの形成に関与しているアミノ酸残基がNADキナーゼ及びそのホモログタンパク質において高度に保存されていること、NADキナーゼが全て多量体の分子構造をとることから、他のNADキナーゼにおいても、Ppnkと同様のNAD結合サイトを形成している可能性を示した。
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