琵琶湖生態系の変動の鍵を握る動植物プランクトンに関する研究
Project/Area Number |
03J05410
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境動態解析
|
Research Institution | Ehime University (2005) Kyoto University (2003-2004) |
Principal Investigator |
加 玲美 (槻木 玲美) 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,299,000 (Direct Cost: ¥2,299,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥499,000 (Direct Cost: ¥499,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 琵琶湖 / 過去100年 / 動植物プランクトン / 堆積物 / Daphnia / 休眠卵 / 温暖化 / 時系列データ / 近過去 / 20世紀 / 動物プランクトン / 植物プランクトン |
Research Abstract |
2004年度は、昨年度までに明らかにした分析結果に基づき、以下の2点についてより詳細な解析を行った。最初に、(1)琵琶湖の過去100年にわたる動植物プランクトンの定量的データと既存の文献資料に基づく環境条件の2つの時系列データセットを用いて、変動要因に関する相関関係の解析を行った。さらに、琵琶湖では生態系のKey species, Daphniaが1980年頃より休眠卵を作らない生活史に変化していることが判明しているが、(2)なぜ1980年代以降、Daphniaが有性生殖しなくなったのかについて、考えられる3つの仮説を検証した。(1)の変動要因に関する解析では、琵琶湖冬季の代表的な植物プランクトンA.nipponicaが1980年代以降、減少したのは冬季温暖化に伴う鉛直混合の低下に起因すること、この種と対照的に80年代以降、大幅に増加したF.crotonensisはA.nipponica減少による珪酸余剰と窒素負荷の増大によることが示唆された。また、夏期に卓越して出現するようになった大型緑藻類Staurastrumは成層が強化されると増加する傾向にあることが判明した。(2)のDaphniaが有性生殖しなくなった理由に関しては、1980年以後は浮遊個体として越冬が可能になったため休眠卵を作らない個体群へと選択圧がかかったとする説が最も有力であった。つまり、Daphniaにとって食べにくいA.nipponicaが1980年以前は冬期の卓越植物プランクトンであったが、1980年以後はDaphniaにとって食べやすく良い餌のCryptomonasが冬期に卓越するようになった。その結果、餌環境が好転し、Daphniaは浮遊個体として越冬出来るようになり、休眠卵を作る遺伝型が減少したのではないかと推察された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)