全光学的に生成したアルカリ原子のボース凝縮体における量子渦ダイナミクス
Project/Area Number |
03J05491
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | レーザー冷却 / ボース凝縮 / ルビジウム原子 / 量子渦 / ラマン遷移 / CO2レーザー / CO_2レーザー / 光トラップ / ラゲールガウスビーム |
Research Abstract |
本研究では一昨年度までに、CO2レーザーを用いた全光学的手法によるスピン自由度を持ったRb原子のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の生成に成功している。本研究の目的は、こうして生成したBECのスピン自由度を生かした実験として、ラゲールガウスビームというドーナッツ形のレーザーを用いた誘導ラマン遷移を行うことによってBECのスピンを操作し、量子渦を生成しその研究を行うことであった。そのための光源を昨年度までに作成し、実際に誘導ラマン遷移によるBECのスピンの操作にも成功している。しかし、その後の詳細な実験結果から、誘導ラマン遷移を効率よく行うためには誘導ラマン遷移に用いるビームの強度分布が一定である必要があると判明した。このためラゲールガウスビームのような中心付近の光強度の不均一が非常大きいビームでは、効率よくラマン遷移を行うことができないことがわかった。 そのため、BECのスピン自由度を生かしたもう一つの実験として、準静電場を用いた新しいスピン操作方法の提案と実験を行った。CO2レーザーはRb原子の共鳴周波数に比べ非常に周波数が小さいため、準静電場と呼ばれている。これまでの研究ではこのような低周波数領域の電場と原子のスピンとの相互作用については、その大きさが非常に小さいということもあり、あまり研究されてこなかった。本研究で用いている高出力のCO2レーザーを強く集光することにより得られる非常に強い光電場を利用することによって、はじめて観測が可能となったのである。本研究ではこの相互作用の大きさの理論的な見積もりを行うと共に、実験においてもCO2レーザーの光強度を変調することで実際にスピンの操作を行い、この相互作用の大きさの精度の良い評価に成功した。また、この研究の成果を日本物理学会および投稿論文において報告した。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)