Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
流域規模の土砂動態予測を目的として,インドネシア・レスティ川流域を対象に現地観測とモデル化を行っている.また,水・土砂動態予測モデルの不確実性評価手法に関する研究を行っている. 本年度は2004年11月と2005年3月の2度にわたり現地観測を行った.観測項目は,河道内の流速分布,濁度分布,流域の土壌侵食量,雨量,および,雨滴径である.また,濁度の計測とあわせて上流域の土地利用に関する現地調査を行った.その結果,上流域に耕作地が広がる河道区間では降雨の数時間後に急激に濁度が増加し約15000ppmまで達することが明らかとなった.この結果と前年度に得られた知見,すなわち,上流域に森林が広がる河道区間では濁度が約30ppmと低い,という事実を照らし合わせると,レスティ川流域の大規模な土砂生産源は耕作地であり,特に耕作地が裸地化する雨季のはじめの土砂生産量が多いことが示唆された. 一方,現地に設置したマイクロレインレーダで雨滴径を観測し,雨滴仕事と雨量によい線形関係があることを明らかにした.従来の研究より雨滴仕事と土砂剥離量の関係は経験的に求められているので,雨量を変数とした土砂剥離量の計算が可能となる.ただし,土壌侵食量観測の結果は,果樹園では土砂流出を下草が防ぎ,畑では表面流が土砂を巻き上げて流下させるなど,土地利用毎に土砂の動態が異なっていることを示しており,土地利用ごとに土砂生産量をモデル化する必要があることがわかった. また,水文・気象データが不十分なレスティ川流域のような流域ではモデルの予測値とあわせてその不確実性を示すことが重要である.パラメータの不確実性と降雨分布推定の不確実性が流出予測に与える影響の評価法を提案した.
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