Project/Area Number |
03J05687
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 渉 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プロスタグランジン / 発熱 / PGE合成酵素 / 血管内皮細胞 / NSAID / インフルエンザ脳症 / シクロオキシゲナーゼ / 免疫-脳連関 |
Research Abstract |
プロスタグランジンE2(PGE2)は発熱応答に必須の分子である。これまでに5つのPGE合成酵素(PGES)、すなわち膜型PGES(mPGES-1)、mPGES-2、細胞質型PGES(cPGES)、GSTM2-2、及びGSTM3-3が同定されている。しかし、これらのPGESのうちどの酵素が発熱を起こすPGE2を合成するのかは分かっていない。これまでの研究で、発熱時にmPGES-1が脳の血管に誘導されることが分かった。このことから我々のグループではmPGES-1が発熱を起こすpGE2を合成すると考えている。本研究では、この仮説を証明するために、mPGES-1遺伝子欠損マウス(mPGES-1KO)の発熱応答を、3つの発熱モデルを用いて調べた。mPGES-1KOと対照群野生型マウス(WT)で平常時の体温、その概日変化に有意な差はなかった。インターロイキン1-βを脳室内投与;WTでは投与後3〜6時間後をピークに約2℃の発熱が起こった。mPGES-1KOでは発熱は起こらなかった。テレピン油後肢皮下注射;WTでは注射後11〜13時間をピークに約2℃の発熱が起こった。一方でmPGES-1KOでは発熱は起こらなかった。リポポリサッカライド腹腔内注射;WTでは注射2〜5時間後をピークに約1℃の発熱が起こった。一方でmPGES-1KOでは発熱は起こらなかった。また、この時mPGES-1KOでは脳内PGE2濃度の上昇が抑制されていた。これらの結果から、mPGES-1が発熱を起こすPGE2を合成することが明らかになった。本研究課題"PGE2による脳保護作用の解析"に関して、炎症性刺激によりmPGES-1が脳血管に誘導されることを考えると、mPGES-1が脳保護作用を持つPGE2を脳血管で産生していることを意味する。
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