アリルアルコールを直接用いるカルボニル化合物の求核的アリル化反応の開発
Project/Area Number |
03J05749
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
合成化学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
清水 政道 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アリルアルコール / アリル化 / パラジウム触媒 / トリエチルホウ素 / ジエチル亜鉛 |
Research Abstract |
本研究は、平成16年度特別研究員申請書に記述の通り、省資源・省エネルギー環境調和型をキーワードとする物質変換プロセスの開発をコンセプトとし、研究課題名に記載される反応について検討を実施した。従来、カルボニル化合物の求核アリル化反応は、アリルアルコールを強酸処理の後にアリルハライドとし、マグネシウム・錫(猛毒)等の金属試薬を用いて非水条件下でアリル金属に変換する必要性があった。一方、我々が新規に開発したパラジウム触媒とトリエチルホウ素あるいはジエチル亜鉛共存下における同アリル化反応は、アリルアルコールを何ら修飾する必要がない画期的な環境調和型化学プロセスである。平成16年度は、平成15年度にて得られた知見をもとに、次の2つの課題、(1)本アリル化反応の基礎的且つ本質的な検討を行う。(2)分子内反応への応用を試みる。を設定した。 (1)の課題については、アリルアルコールを基本原料とし、様々なカルボニル化合物(アルデヒド・ケトン)へのアリル化が可能であることを示した。同時に、その反応性、基質許容性、生成物の位置及び立体選択性が、用いたアリルアルコール若しくはカルボニル類の化学的性質、物理的性質に対して一定の相関かあることを見出した。その相関は、反応機構的に充分に説明可能な現象であり、この成果がAngew.Chem.Int.Ed.Eg.42,3392(2003)。ならびにTetrahedron,61(2005)in press.に掲載された。更に、本アリル化反応をイミンやN, O-アセタールへと展開可能であることも示した。イミンにおけるアリル化反応に関してはてOrg.Lett.7,637,(2005)に記載されている。一方で、上述のアリルアルコールを利用したアリル化反応で得られた知見をもとに、アリルエーテルを原斜とするアリル化反応への展開を試みた。結果、本触媒システムがアリルエーテルを用いるアリル化反応へと応用可能であることを示した。更に、用いるアリルエーテルに糖鎖骨格を組み込むことによって、その反応の位置及び立体選択性をコントロールすることに成功した。この成果は、現在、執筆中であり2005年3月末に投稿を予定している。(2)の課題についても、分子内への応用が可能であることを示した。この成果についても近く投稿予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)