Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
今世紀は,「重力波天文学」が宇宙を知る上で重要であることは間違いない.日本国内では,地上重力波検出器TAMA300と呼ばれるレーザー干渉型重力波検出器が稼動しており,次期計画として神岡鉱山内に建設を予定しているLCGT計画がある.海外でも,アメリカのLIGO,ドイツのGEO,イタリア・フランスのVIRGOが稼働している.本研究では,次世代の宇宙空間重力波検出器LISA(NASA・ESA共同開発)における主要な重力波源の一つである,コンパクト連星系から放出される精密な重力波波形の理論的予測,重力波のデータ解析法の構築を行う.そのためには,コンパクト連星系の運動を正確に知る必要があり,コンパクト連星系の運動を一般相対論的に記述することが目標である. 平成17年度は,球対称(シュバルツシルト)ブラックホール時空中のコンパクト天体に対する重力的反作用力の定式化の研究を完成させ,一般軌道運動するコンパクト天体に働く力を明確にした.これにより,今後この時空におけるコンパクト天体から放出される精密な重力波波形を導くことができる.また,宇宙にある一般的なブラックホールは軸対称(カー)ブラックホールであるが,この時空中でのコンパクト天体の運動の定式化に着手した.コンパクト天体の軌道が断熱的進化をするという仮定の元に,数十年来問題となっていた軌道を特徴づける「第3の運動の定数」の時間発展を世界で初めて導出した. また,重力波データ解析に関して,コンパクト連星系が合体しブラックホールを形成する最終段階に生じるリングダウンと呼ばれる重力波に対し,以前に構築したデータ解析法を用い,TAMA300のデータを用いたリングダウン重力波データ解析を行った.このリングダウン重力波を検出することは,ブラックホールを直接観測するという意味で非常に興味深いものである.
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