Project/Area Number |
03J06568
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
水産学一般
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Research Institution | National Institute of Polar Research (2004) The Graduate University for Advanced Studies (2003) |
Principal Investigator |
高橋 邦夫 国立極地研究所, 研究教育系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 極域生態学 / 南極海 / カイアシ類 / 季節海氷域 / 脂質 |
Research Abstract |
南極海に生息する植食性カイアシ類Calanoides acutusは植物プランクトンによる一次生産が高まる夏期に飽食した有機物を脂質として体内に貯蔵し、これをエネルギー源として越冬する生活史戦略を獲得している。しかしながら、現在までに実施された南極海域におけるフィールド研究は散発的であり、本種の生活史はそれらの調査結果を総合的に評価・推測したものである。そこで本研究は日本南極地域観測隊による「南極観測第VI期5ヵ年計画」の一環として、平成13年度から開始された夏の全期間をカバーした複数船による時系列観測プログラムの乗船機会を利用し、南極海インド洋区において約一ヶ月毎の調査を行ない本種の生活史を再検討した。特に季節海氷域は毎年、氷の張り出し・後退の時期により、本種の成長時間に南北で時間差が生じるとの作業仮説を立案した。その結果、本種の生活史に関して以下の新たな知見を得た。 1.本種のライフスパンは海域によって異なり、一年で再生産を完了する個体から、一生に少なくとも二年以上費やす個体が存在する。 2.一生に二年以上を費やす個体群は、無摂餌期間の生存に最低限必要な脂質(エネルギー)貯蔵を優先し、さらに余剰の摂餌エネルギーは自身の成長に転化させている。 3.季節海氷域では地域によって生育の進行に時間差が生じることから、越冬直前の秋季には南北で生理状態が異なる。 4.1〜3の結果から、本種のライフスパンは海氷の存在期間に影響を受けている可能性が高いことを示唆した。 上記の結果はそれぞれ、平成16年6月にドイツで行なわれたSCARシンポジウム、9月に韓国で行われたソウル極域科学国際シンポジウム、クロアチアで行われた南極海氷圏生態シンポジウム、12月に東京で行われた極域生物シンポジウムにおいて発表し高い評価を得ている。また本結果は現在国際学術誌に投稿準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)