Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
千葉県安房郡小湊地先から鴨川地先の沖5kmには水深200mを越える鴨川海底谷が南北方向に存在し,強風によってしばしば沿岸湧昇が生じて,海洋深層水が沸き上がっていることが知られている。しかし,この湧昇流の発生要因,発生時期,発生頻度,動態,沿岸生態系に与える影響についてはほとんど調べられていない。同地沿岸部では大型多年生褐藻のカジメ(コンブ目,コンブ科)が100ヘクタール以上の規模の大きな海中林を形成し,高い生産力を持つ主要な一次生産者であることがこれまでの私の研究によって明らかにされつつあり,沿岸部で最大の現存量を示すカジメを沿岸湧昇と沿岸生態系との関係を考察するためのモデル生物として研究対象に選んだ。小湊地先では鴨川海底谷由来の湧昇流が接岸すると水温が急激に低下することが知られており,同地のカジメの光合成,生長,そして生産力には湧昇流の低水温性や,富栄養性が関係していると考えられるが,そのような観点からの研究は皆無である。そこで,本研究では周年を通して鴨川海底谷から小湊地先までの栄養塩類の濃度と水温の分布を調べることによって,同地の湧昇流における発生要因,発生時期,発生頻度,動態を明らかにするとともに,カジメの生産力を調査し,沿岸湧昇の発生時期や頻度と比較し,さらに,湧昇域の海水等を用いてカジメの生長および光合成を調べることによって,湧昇流の沿岸生態系に与える影響について解明しつつある。
|