高等教育の"地方化(Localization)"の研究-地方分散化政策の再検討-
Project/Area Number |
03J06843
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育学
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 歳之 東北大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 高等教育 / 地域 / 地方化 / 政策 / 学校法人 |
Research Abstract |
計画の最終年度となる今年度は、高等教育の「地方化」という観点からこれまでの研究成果をまとめるための作業を行った。 まず、「地方化」の背景として高等教育関連施策の展開に着目すると、国土庁による国土計画や通産省による産業計画などといった諸施策は、いわば高等教育機関の活用策といえるものであり、しかもその活用の目的が、地方圏の発展や、さまざまな側面における地域間格差の是正におかれていたため、高等教育の「地方化」を強く促すものでもあったことが浮き彫りになった。これらの将来計画は、文部省の高等教育計画・政策が大きく転換するのに先行して打ち出されており、高等教育の「地方化」は、文部省以外の省庁にリードされるかたちで進行してきたことを指摘することができる。 また、入学者と卒業者の就業状況に着目すると、それらには地域ごとに大きな差異が存在しており、マクロデータのみによる検討の危険性を指摘することができるとともに、それぞれの地域の実情を反映した高等教育機関の地方的役割が強く期待され、それに基づき独自の機能を果たそうとしている高等教育の拡大が示唆された。 一方で、国公立高等教育機関の拡大が財政上の理由などによって政策的に抑制されていたという事実は、高等教育の量的拡大を私学に依存せざるを得ない状況をもたらすことになった。これを「私学化」の動きとして捉え、その設置者である学校法人に着目してみてみると、大学・短大を単独で設置しているのはむしろ少数派で、特に中等教育段階の学校を設置している法人によって新設されるというのがもっとも多いパターンとなっていた。そしてその過程は着実に地方圏へと広がりを見せている。まさに高等教育の「地方化」と「私学化」とが連動して展開してきているのであり、高等教育の大衆化が都市型私大の拡大のみを指していた時代から地方型私大の拡大をも含む時代へと変化してきたのである。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)