Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
私はこれまでの研究において,ブタ卵成熟過程における卵丘膨化に着目して研究を行い,卵丘膨化に伴うヒアルロン酸-CD44系の作用が卵成熟誘起に密接な関係があることを明らかにしたが,この研究成果を基に,ブタ卵成熟誘起機構におけるヒアルロン酸-CD44系の作用機序について解析を行った。解析の結果,ヒアルロン酸レセプターであるCD44が卵子では発現しておらず,卵丘細胞で発現していることを発見し,ヒアルロン酸の卵成熟誘起作用は卵子に直接伝わっているのではなく,卵丘細胞を介して間接的に伝わっていることを明らかにした。卵丘細胞はギャップ結合を介して卵子と細胞間連絡が行われていることが知られていることから,ヒアルロン酸の卵成熟誘導刺激はこのギャップ結合を介して卵子に伝達されていることが予想される。そこで,卵丘-卵子複合体のギャップ結合タンパク質であるコネキシン43(Cx43)に着目し,ブタ卵成熟過程におけるCx43発現について調べた結果,卵成熟過程においてCx43のチロシン残基がリン酸化されることを明らかにした。また,この反応はヒアルロン酸合成阻害剤および抗CD44抗体を添加した条件では有意に抑制され,さらに,同条件では卵成熟抑制因子であるcAMP濃度が卵子内で高く維持されることも明らかとなった。以上の結果から,卵成熟過程におけるヒアルロン酸-CD44系の作用は,Cx43のチロシンリン酸化を誘起することで卵丘-卵子複合体ギャップ結合を閉鎖し,cAMP濃度を急激に減少させることで卵成熟を誘起することを明らかにした。
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