Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
有人宇宙活動の危険性が再認識される中で,宇宙ロボットの利用はその打開策として大きく注目されている。しかし,現在使われている宇宙ロボットシステムは,決して作業効率の高いものとは言えない.そのため,宇宙飛行士に代って複雑な作業を遂行しうるロボットの開発や,その制御方法の構築が求められている.このような背景を受けて,本研究では,国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されるマクロ・マイクロ型マニピュレータシステムJEMRMSの自律化・高機能化による作業効率化の研究を行ってきた.JEMRMSは作業領域の広い親アームと,精細作業に適した子アームからなる.しかしながら,腕の長い親アーム(マクロ部)は,親アームと子アーム(マイクロ部)が動的に干渉しているために,運用時に動作反動などにより振動してしまうことが指摘されている. そこで,本研究では,マクロ部とマイクロ部の動的な干渉を利用した振動抑制制御,および反動ゼロ空間を利用した無反動制御を適用し,作業効率の向上を目指してきた.それらの成果は,国際学会等において成果発表を行っている.一方,これらの制御法が,精度良く遂行されるためには,システム全体の正確な動的パラメータを予め取得している必要がある.しかし,ロボットが把持する対象物の慣性パラメータに誤差がある場合では,上記の制御を用いた場合であっても,目標軌道を逸脱したり,親アームの振動を励起してしまうことが懸念される. ここでは,ロボットが把持する対象物の慣性パラメータに誤差がある場合でも,振動抑制と位置決め制御を行いうる適応制御法について提案した.適応制御を用いることにより,力学パラメータの誤差によらずマクロ部の振動を漸近収束させることができ,結果として目標点への位置決め制御も可能となることを証明した.次いで,適応制御を拡張し,振動収束のプロセス中に未知の慣性パラメータを推定する方法について提案した.この際,振動のモードと推定できるパラメータとの関係を特異値分解法によって明らかにし,振動現象に支配的なパラメータのみを選択的に推定これらの情報から,把持対象物の質量等の動的パラメータを推定する手法を提案した.
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