高エネルギー荷電粒子の核破砕反応による誘導放射能の物質内分布に関する系統的研究
Project/Area Number |
03J07045
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子力学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八島 浩 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 重イオン核反応 / 放射化断面積 / 高純度Ge検出器 / 誘導放射能 / ガンマ線実効線量 |
Research Abstract |
本研究では、高エネルギー荷電粒子の核破砕反応による核種生成断面積の系統的な実験データを取得し、その結果に基づいた高エネルギー重イオン加速器施設の誘導放射能評価に役立つ知見を得ることを目的として照射実験を行い、高エネルギー荷電粒子入射によって生成する核種の生成断面積及び誘導放射能の系統的測定を行った。照射実験は放射線医学総合研究所のHIMAC (Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)で行った。本研究ではスタックフォイル法を用いてターゲットを作成した。銅板を重ねてターゲットとし、銅板の間に誘導放射能を測定するための放射化試料を挿入した。100〜800MeV/nucleonのNe,C,He,p,Ar,Siイオンをターゲットに照射した。照射終了後、放射化試料に生成した放射性核種から放出されるγ線を高純度Ge検出器で測定した。高純度Ge検出器で測定されたγ線スペクトルから、核種生成率を求めた。核種生成率から核種生成断面積、生成放射能のターゲット内空間分布をそれぞれ求めた。核種生成断面積の入射粒子、エネルギー依存性は生成核種と親核である銅との質量数差に依存することがわかった。この実験結果を用いて、重イオン輸送モンテカルロコードPHITSの誘導放射能計算精度評価と重イオン入射による核種生成断面積、銅ターゲット全体での誘導放射能、誘導放射能からのガンマ線線量評価を行った。PHITSコードの計算結果は全体的に実験結果と良い一致を示した。実験で得られた核種生成断面積を半経験式にフィットし測定できなかった核種の生成断面積を評価した。生成核種の質量数分布を求め、その傾きのエネルギー依存性を調べたところ全入射エネルギー1GeV以上ではlimiting fragmentationが起こっていることが確認できた。また、生成放射能のターゲット内空間分布から銅ターゲット全体での誘導放射能と誘導放射能からのガンマ線線量薫評価した。誘導放射能は核子あたりのエネルギーが大きいほど大きくなり、同じ核子あたりエネルギーでは飛程が長いほど大きくなっている。ガンマ線線量も誘導放射能と似た傾向を示している。本研究で得られた成果は高エネルギー重イオン加速器施設の安全設計や高エネルギー重イオン核反応計算コードのベンチマークデータとして非常に有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)