睡眠-覚醒状態の神経回路網による数理モデル化に関する研究
Project/Area Number |
03J07150
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
知能情報学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 敏明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 統計物理学 / 非線形動力学 / 神経科学 / 脳科学 |
Research Abstract |
睡眠-覚醒状態に深く関与しているとされる視床の振動現象に対する2層神経回路網モデルを構築した。構築したモデルは視床網様核ニューロン層とコリン作動性ニューロン層からなっている。コリン系の神経伝達調節を取り入れるために,コリン作動性ニューロンの状態に依存するアセチルコリン濃度のダイナミクスを導入した。計算機による数値実験により,視床網様核ニューロン層におけるバースト状態と静止状態との間の動的な状態遷移が,コリン系の神経伝達調節の効果によって発現するという新たな知見を得た。この結果は,コリン系による神経伝達調節の効果が睡眠状態と覚醒状態との間の状態遷移に関与していることを示唆する重要な成果である。この成果は,国内の研究会の技術研究報告およびワークショップのプロシーデイングにおいて公表した。 ワーキングメモリは,意思決定や行動に対して用いられる短期記憶の一種である。私は,コンパートメントのHodgkin-Huxleyニューロンを用いてワーキングメモリのミニマムモデルを構築した。さらに,記憶の保持に対応する発火の持続時間が相転移的な振る舞いを示すことを明らかにした。この成果は外国雑誌に公表した。 大脳辺縁系に存在する海馬は短期記憶やエピソード記憶を担っているとされる部位である。私は,興奮性ニューロンおよび抑制性ニューロンを有する海馬における記憶機能の3層神経回路網モデルを構築した。計算機による数値実験により,抑制性ニューロンが記憶想起の安定性を向上することを示した。この結果は抑制性ニューロンの記憶機能に対する役割を示す重要な結果である。この成果は国内英文雑誌で公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)