細胞質雄性不稔イネに対する稔性回復遺伝子のクローニングと分子機構の解明
Project/Area Number |
03J07407
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
育種学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 智彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 細胞質雄性不稔 / ミトコンドリア / 転写後制御 / 分子生物学 / イネ |
Research Abstract |
本年度は、Boro型細胞質雄性不稔イネの稔性を回復させる稔性回復遺伝子Rf1のコードするPPRタンパク質が、ミトコンドリア内において、分子レベルでどのような機能をしているのか、について焦点をあてて解析を行った。PPR(pentatricopeptide repeat)タンパク質は、比較的相同性の高い35アミノ酸の繰り返し配列を持つタンパク質である。このタンパク質は、高等植物で特異的に大きなファミリーを形成していることが報告されている。また、葉緑体やミトコンドリアにおいて、RNAの成熟反応(切断、スプライシング、RNAエディティングなど)に関与していると考えられている。 これまでの成果により、Rf1タンパク質はBoro型細胞質のミトコンドリアにおいて、雄性不稔性関連遺伝子であるatp6-orf79RNAの切断に関与していることが明らかとなっている。まず、プライマー伸長法を行い、プロセッシングされたorf79 RNAの5'末端を決定することで、プロセッシングサイトの決定を行った。この結果、orf79の開始コドンより52nt〜55nt上流にプロセッシングサイトを決定することが出来た。この領域を含む400nt RNAの2次構造を予測したところ、プロセッシングサイトは2本のステムループに囲まれた1本鎖RNA領域に散在することが明らかとなった。このことは、RNAの成熟反応の解析が先行している葉緑体の結果とも矛盾しない。さらに、Rf1タンパク質が、このプロセッシングサイトを含むRNAと結合するかどうかを、リコンビナントRf1とのゲルシフトアッセイで調査した。この結果、リコンビナントRf1タンパク質と400nt RNAの結合が確認された。一方で、Rf1アミノ酸配列からは、RNA結合能を持つPPRモチーフ以外に、RNAの切断に有効なモチーフなどは見つかっていない。これらのことより、Rf1タンパク質はatp6-orf79 RNAの遺伝子間領域に結合することで、RNaseの機能を助けていることが考えられた。また、プロセッシングサイトの配列がアデニンリッチな配列であることや、ステムループに囲まれた1本鎖に位置することより、RNAの切断自体にはRNaseE様のRNaseの関与が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)