雌の究極的な退化を伴うミノガ科の多様性に関する系統進化学的研究
Project/Area Number |
03J07615
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
系統・分類
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉本 美華 九州大学, 熱帯農学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 鱗翅目 / ミノガ科 / 形態退化 / 生活様式 / 系統進化学 / 分子系統学 / Diplodoma属群 |
Research Abstract |
これまで収集した国内産ミノガ科の材料のうち、雌が有翅有脚型で本科の中では原始的な国内未記録の属Eumasia属2新種について、新種記載とその系統的考察を行った論文を共著で生成し、日本蛾類学会誌TINEAに発表した。 この3年間にわたる研究成果として、ミノガ科の形態退化のプロセスを系統発生との関連のもとに解明する為の系統資料を得る目的で、国内産16属19種と外国産2属3種のミノガについて、形態形質に基づく系統解析とmtDNAのND5領域の塩基配列に基づく系統解析を行なった。その結果、無翅無脚型のオオミノガ亜科は両解析で共に単系統性が支持され、またいくつかの単系統群の中でそれぞれ有翅有脚型と無翅有脚型が共に現れており、雌の退行的進化が複数回独立に起きたことが示唆された。この成果は日本昆虫学会第65回大会(岡山;9月)で発表した。 アジア熱帯地域の熱帯山地性ミノガ科について資料収集の為に、マレーシアのボルネオ島にあるキナバル山にて、ミノガ科の生息環境、蛹化・羽化状況、幼虫の摂食物の探索など野外調査を行なった。その結果、新属新種を含めて20種以上のミノガを発見し、その中には従来のミノガ進化の定説を覆すような生活様式を行なう種も見出された。この調査結果は日本昆虫学会九州支部・日本鱗翅学会九州支部合同大会(大分;12月)で発表した。 九州中央山地の照葉樹林の原生林にある巨大ウロ内に生息する新属新種となるミノガを発見し、このミノガは雌が原始的な有翅型であるにもかかわらず、成虫がミノ内で羽化した後にミノの外に脱出するという、特異的な生活様式を持っていることを明らかにした。本種は広い林内でも生息場所が非常に局限されているため、生息状況の調査を行い、その希少性が確認された。 現在は、これまでの研究成果を論文として国内外の学会誌に発表するべく、執筆中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)