リズム形成における振動子群の引き込みと確率同期現象
Project/Area Number |
03J07712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 弘和 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 結合振動子系 / 引き込み現象 / 確率同期現象 / Belousov-Zhabotinsky反応 / 概日リズム / 確立同期現象 / 確立共鳴現象 |
Research Abstract |
本研究は、非線形力学で注目されている振動子集団の引き込み現象と確率同期現象を、非線形化学振動反応であるBelousov-Zhabotinsky (BZ)反応を用いた実験とそれを基にした数値シミュレーションから明らかにすることを目的に行なった。本年度は、以下の点を明らかにした。 1.化学反応系における実験 離散的な大自由度結合振動子系をビーズ振動子を用いて構成した。ビーズ振動子は、イオン交換樹脂ビーズに触媒を吸着させて、触媒を含まないBZ溶液に浸漬して構成される。複数のビーズ振動子を同じ溶液中に近づけて並べると、溶液中を拡散する化学物質によって互いに相互作用し、振動子間の距離に依存して引き込み現象が生じる。このビーズ振動子をマイクロ加工ガラス基板上に規則的に配列させ、様々な結合系(2振動子系、3×3格子系、10×10格子系)を構成した。実験の結果、(1)引き込み相転移の臨界距離がシステムサイズに依存すること、(2)臨界距離を超えると指数関数的に系の同期率が現象すること、(3)ペースメーカーをもつ1次元振動子鎖における引き込みと位相波の伝搬率の関係が明らかになった。 2.数値シミュレーション 光感受性オレゴネータモデルを用いて、実験で得られた結果を基に数値シミュレーションを行った。その結果、(1)引き込み転移点のシステムサイズ依存性がオレゴネータを単純に拡散で局所結合させたモデルでは再現できず、離散系の特徴をさらに考慮しなければならないこと、(2)同期率の指数関数的減少は拡散結合で説明できること、(3)ペースメーカーをもつ1次元振動子鎖における引き込み現象と結合強度の関係が明らかになった。 3.生物リズムへの応用 BZ反応の実験で得られた知見を生物系へ応用することを目的に、CAM植物の概日リズムを高感度CO_2計測器を用いて測定した。CAM植物は、高温連続明条件下で概日リズムを失うことが知られているが、本研究では一度失われたリズムが十分時間が経過した後に自然と回復することを実験的に明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)