高温超伝導電力機器の電気絶縁設計技術と高電圧絶縁設計法の確立
Project/Area Number |
03J07743
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗原 隆史 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 高温超伝導電力機器 / 電気絶縁設計 / 超伝導機器の絶縁協調 / 高電圧試験 / 常温等価試験電圧 / 極低温 / 液体冷媒の相変化 / 部分放電 / 高電圧絶縁試験 / 絶縁劣化 |
Research Abstract |
電力機器のコンパクト化や処理エネルギーの高密度化を実現する高温超伝導電力機器を電力系統に導入するためには、常温機器にはない1)極低温環境、2)超伝導体の常伝導転移、3)常伝導部分のジュール発熱による液体冷媒の相変化を新たに考慮し、電気絶縁設計法とその信頼性を保証する高電圧試験法を確立しなければならない。 本年度は、コイル構造の高温超伝導電力機器に注目し、経済的ならびに技術的な理由で、開発・製造・出荷段階における極低温下の高電圧試験を、常温で等価的に実施する常温等価試験法の考え方を初めて提案し、その最重要検討課題となる常温等価試験電圧の決定法を報告した。主な内容を要約すると、以下の通りである。 1)常温等価試験電圧は、本研究で媒質係数と命名した換算係数により、同種の常温機器の標準試験電圧から換算できる。 2)媒質係数は、電気絶縁系の絶縁弱点部に関する常温と極低温の放電開始電圧の比で与えられる。本研究では、パンケーキ型コイル構造の高温超伝導変圧器を例に取り、極低温冷媒の液体窒素の相変化までを想定し、様々な絶縁弱点部のモデル電極系を使用して、媒質係数の絶縁距離及び窒素ガス温度依存性を明らかにした。 3)完成した機器に対する常温等価試験電圧を決定するため、複数の媒質係数から唯一の媒質係数を選択する方法を議論した。すなわち、最も安全サイドの絶縁設計のためには、最大の媒質係数を使用することが望ましいことを指摘した。 4)欠陥として混入して絶縁弱点部になる可能性のある固体絶縁物中のガス密閉ボイドに着目し、ボイド内部での放電現象を液体窒素温度と室温で実験的に明らかにし、温度の低下に伴う放電強度の大幅な減少と発生頻度の急増を初めて見出した。 1)〜3)に関しては、cryogenics及びアジア放電会議で、4)に関しては、IEEE固体誘電体に関する国際会議で論文を発表し、高温超電導電力機器の実用化のための重要な研究成果であるという高い評価を得た。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)