Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
1.陰影による図地の分離 ある光源から照らされた円盤群を,異なる光源から照らされた円盤群の中に配置すると,互いの群は領域を持ってまとまってみえる.本研究ではこの知覚特性を利用し,両群の光源方向が異なる場合の領域形状判断処理について検討した.実験では,上方(または下方)光源から照らされた円盤群で構成されたアイテムを,下方(または上方)光源から照らされた円盤群で構成された背景から探索するという視覚探索課題を行なった.その結果,上方光源アイテムは,下方光源アイテムに比べ有意に迅速に探索されることが明らかとなった,また,図地判断課題を用いて,上方光源円盤領域,下方光源円盤領域のどちらが図として知覚されやすいかを検討したところ,前者は図として,かつ手前に知覚されることがわかった.以上の結果は,陰影による3次元構造の復元は,視覚探索課題ならびに図地判断課題など比較的高次の情報処理に強く影響することがわかった.これらの成果は,Perception誌に掲載された.(Kawabe, T.,& Miura, K.(2004). Perceptual grouping in shape from shading. Perception,33,601-614.) 2.テクスチャによる重畳面分離 ある領域A隣接する領域Bが異なる方位や空間周波数をもつ場合,AとBは分離して見える.この現象はテクスチャ分離と呼ばれる.本研究では,テクスチャ面分離が,重なった面にも適用されるのか,適用される場合どのようなメカニズムが関与しているのかを検討することを目的とした.刺激は,ガボアパッチで構成された円形領域が部分的に重ねられたものであった.被験者の課題は,提示された刺激が,2つの重なった面に見えたか,それとも3つの隣接する領域に見えたか否かを判断することであった.その結果,円形領域間の空間周波数差が大きい場合には,2つの円形領域に知覚される確率が上昇した,また,重なっていない領域のテクスチャエッジが存在しない場合には,重なった面の分離は生じなかった.これらの結果は,テクスチャエッジ検出機構が重なった面分離に関与し,異なるインプットを与えられることにより,重なった面表象が実現される可能性を示唆している.
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