Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
非線形応答は、タンパク質が正確に情報伝達・変換を行う上で必要不可欠な機能である。人工系でも非線形応答を示す分子の開発が行われてきたが、「分子を認識した」という初期段階で止まっており、新たな機能の発現までには至っていない。そこで、本研究では非線形応答を利用して、π共役系高分子の配列制御を行った。π共役系高分子は単分子で光学的、電気化学的に優れた機能を示す反面、分子間で強いπ-π相互作用が働くため、ランダムな会合体を形成しやすく、十分な機能の発現ができないという問題点を有する。そのため機能の向上を目指して、π共役系高分子を規則的に配列させようとする試みがなされているが、それを達成した研究例というのは未だ皆無に等しい。そのような背景の下、我々はπ共役系高分子を規則的に配列させるための新たな方法論を開発した。その方法論は、π共役系高分子との相互作用部位を複数有する架橋分子(超分子)を用いるというものである。架橋分子を介して共役高分子を等間隔で規則的に配列させることが可能と考えられる。架橋部分が直線状のπ共役系高分子間を架橋して、ちょうどあみだくじのような会合体を形成すると考えられる。種々の分光学的測定および電子顕微鏡観察を行った結果、架橋分子が共役高分子を規則的に配列させていることが明らかとなった。
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Angewandte Chemie International Edition 45・10(in press)
Chemical Communications 46
Pages: 5742-5744
Tetrahedron 60
Pages: 1211-1211