Project/Area Number |
03J08123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
日本史
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
引野 亨輔 広島大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 日本近世史 / 神社祭祀 / 真宗僧 / 神職 |
Research Abstract |
平年度は、日本近世の地域社会における神社祭祀の有り様に注目して、研究を進めた。 例えば、安芸国山県郡は、真宗勢力の圧倒的優勢ゆえに、阿弥陀仏-仏へと信仰心が集中し、神祇信仰が衰退する地域とされてきた。しかし、近世の真宗門徒もまた、村落共同体における結束力を高めるため、氏神社での農耕儀礼を不可欠としたことが、明らかになった。しかも、真宗僧は、他宗派の僧侶と異なり、神社経営に積極的な関与姿勢を見せない。そこで、真宗優勢地帯の神職は、近隣の村々から複数の神社管理を依頼され、それを基盤として着実な成長を遂げていくことも分かった。 他方で、天台僧、真言僧の勢力が強い地域の場合、神職はどのような存在形態を取るかという検討も行った。こちらはまだわずかに地域事例しか抽出できていないが、僧侶による神社支配は予想以上に強固なことが分かった。そして、上記の状況を前提として、僧侶と神職が神社関与権を争う事例も確認した。これまでの神仏交渉史は、「誤った」状態としての神仏習合から両者が分離するという、やや予定調和的なものだった。しかし、地域社会の実相に注目することで、近世という時代になぜ神/仏の間にはっきりとした境界線が引かれていくのか、明確にし得たと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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