Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では,様々な作業における運動中の拘束条件に左右されない筋骨格系インピーダンスモデルをシステム・制御論の観点から構築することを目的とする.平成16年度は,作業条件・環境の変化に応じたインピーダンス調節能力について明らかするとともに,機械システムの設計へ応用することを目指し,以下の手順で研究を実施した. 1.骨格筋の運動特性を単関節レベルで表現するために,骨格筋の収縮速度に依存した粘性の変化に着目した新しい関節インピーダンスモデルを提案し,それに基づいてヒトの手首関節のインピーダンス推定を行った.その結果,関節角速度が変化し始めると関節粘性を急激に減少することなどを明らかにした. 2.次に,手先と関節のインピーダンスの関係を明らかにするために,両腕運動における手先インピーダンスの解析を試みた.その結果,手先インピーダンスが単腕と比較して大きさと方向性に違いがあることなどを明らかにした. 3.運動を行いながら人間の手先インピーダンスを計測するために仮想スポーツシステムの構築を行い,作業条件や環境の変化において人間の手先インピーダンスをどのように調節するかを調べた.そして,環境の粘弾性に応じて手先粘弾性を作業中に自ら変化させていることなどを明らかにした. 4.実システムへの応用例として,自動車の後突による乗員のネックインジャリーを効果的に低減するシートの機械インピーダンスの設計を試みた.そしてシートの粘弾性に対する人体の挙動の変化をシミュレートし,粘性がシート設計に重要な要素であることを明らかにした.さらに,実システムの設計目標に応じたインピーダンス設計法の方向性を示すことができた. 5.4.のインピーダンス設計法に基づいて人間の運動特性を考慮した作業環境の設計を行った.そして,平成15年度に開発した実験装置が,設計した作業環境を極めて良好に実現可能であることを示した.
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