Project/Area Number |
03J08476
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小ヶ谷 千穂 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 移住労働者の女性化 / フィリピン女性 / ライフコース / ジェンダー規範 / ケアギバー(介護労働者) / 世帯内関係 / 移住女性の組織活動 / 移住家事労働者 / エンターティナー / ライフ・コース |
Research Abstract |
研究2年目にあたる今年度は、「移住労働者の女性化」が女性の社会的地位達成にもたらす帰結を、主として送り出し社会であるフィリピンにおける世帯・社会・国家との関係において分析・考察を行った。今年度は特に、前年度からの研究成果を学術論文として発表する作業も合わせて行った。 また、最近のフィリピン海外雇用政策・在外国民政策の新展開として、「在外投票」制度の確立と、ケアギバー(介護労働者)送り出し制度の動向についても、調査研究を実施した。 1.ライフコースから見る「移住労働者の女性化」の帰結 前年度の研究から引き続き、ライフコース・アプローチを用いて女性の移住労働が彼女たちの社会的地位にもたらす影響を分析した。特に海外就労時シングルの女性たちが、結婚・出産というライフ・イベントを経ながら海外就労を継続しているケースに着目し、海外就労をライフコースに組み込んだ女性たちの出現と、その中でのジェンダー規範の変容の可能性が明らかにされた。 2.フィリピンにおけるケアギバー送り出しに見る「移住労働の女性化」の新局面 日比FTA交渉において焦点になっているケアギバー(介護労働者)の送り出しについて、主としてフィリピン政府によるケアギバー養成の取り組みとその含意について調査・分析を行った。 現在フィリピン政府にとっては世界的な介護労働力需要の増大が、海外雇用政策の新展開の契機とし位置づけられている。中でも介護労働者の「専門性」が送り出す側及び労働者にとっての魅力となっている。 しかしながら、ケアギバーは伝統的な女性職における低賃金労働としての家事労働者と、専門職労働としての看護士の中間に位置し、その専門性がきわめて流動的な職種でもある。ケアギバーは、再生産労働のグローバルな配置における「女性向き専門職」として、「移住労働者の女性化」を新たに特徴づけていくと予測される。
|