関連集約型多角化企業における核技術の存在が果たすメカニズムについて
Project/Area Number |
03J08492
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
経営学
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
藤原 雅俊 一橋大学, 大学院・商学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 多角化企業 / 中核技術 / 生産技術 / 事業間転用 / イノベーション / 波及効果 / 企業成長 / 市場メカニズムと組織メカニズムのミックス / 事業間技術転用 |
Research Abstract |
関連集約型多角化企業において、中核技術が果たすメカニズムを解明した。分析対象は、セイコーエプソンと花王に設定し、各企業の企業成長プロセスにおいて、それぞれの中核技術がどのような役割を果たしたのか、という問いを分析した。より具体的に指摘すれば、セイコーエプソンにおいて精密加工技術やインクジェット技術が果たした役割、花王において転動造粒技術や界面活性技術が果たした役割を考察している。 その結果、以下の3点が重要な役割を果たしていることが分かり、中核技術を保有することの意義が具体的に明らかとされた。その3点とは、1)中核技術の存在が他事業部の技術者からの注目を集めることで自発的な転用動機が刺激されること、2)高い競争優位を構築できる中核技術としては暗黙的性格の強い高度な生産技術が有効であること、3)事業間での技術転用に伴う技術者の移動には、技術の転用先事業部内の技術者の競争心を刺激して他の技術要素の開発までをも加速させていくという、事前には予期していなかった波及効果が現れうること、である。 これら3点のうち、最後のポイントがとても重要である。なぜなら、製品開発は、何もあるひとつの技術要素が進歩したところで完了するわけではないからである。その製品を構成する他の技術要素の進歩までをもいかに加速させていくかが問題なのであり、自社内他事業部からの技術者の移動を伴った技術転用には、その役割を十分に果たせるだけのポテンシャルがあるということが解明された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)