植物内生放線菌を利用した病害抵抗性組織培養苗の育成に関する研究
Project/Area Number |
03J08743
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 将文 三重大学, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 植物内生放線菌 / 耐病性 / 組織培養 / 抗菌性放線菌 / 生物防除 |
Research Abstract |
本研究で、病原菌拮抗性のStreptomyces galbus R-5株を利用して耐病性のシャクナゲ組織培養苗を作出し、省農薬馴化過程を目指す技術開発を目的としている。未検討であった土壌伝搬性の根腐病に対する耐病性効果を検討するため、R-5株処理苗に根腐病菌を接種したところ、殺菌剤(ベノミル・マンゼブ混合剤)散布と同程度の発病抑制効果が認められた。この結果から、化学農薬による防除が困難な土壌病害にもR-5株処理が有効であることを実証できた。また、本年度の馴化栽培試験でも、土壌移植したR-5株処理苗の耐病性持続が確認できた。未同定であったR-5株が生産する抗生物質を化学分析し、アクチノマイシンX_2およびフンギクロミンと同定した。シャクナゲ組織培養苗内でのR-5株の増殖と宿主細胞の抵抗反応を光学・電子顕微鏡観察した。R-5株菌糸は葉内部の細胞間隙で増殖し、本菌株の菌糸が接触した細胞には抵抗反応の一種であるwall appositionが形成されることを見出した。シャクナゲにおける病害抵抗性遺伝子とファイトアレキシン様物質の解析が困難であったため、R-5株の宿主範囲に含まれるシロイヌナズナを用いてこれらの解析を行ったところ、R-5株処理シロイヌナズナでは抵抗性遺伝子の一種であるPDF1.2の発現量とファイトアレキシンのカマレキシン量が顕著に増加することを突き止めた。これらの結果は、R-5株処理により宿主植物に抵抗性が誘導されることを示唆している。現在、抵抗性遺伝子の発現およびファイトアレキシン量の増加、R-5株が生産する抗生物質耐病性化との関連について詳細に解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)