Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
アミロイド線維は一次元周期構造を持つ蛋白質凝集体であり、各種疾病との関連が知られているが、その構造には不明の点が多い。本研究では赤外顕微鏡を用いて、最長22残基のペプチドからなるアミロイド線維の構造を明らかにすることを試みた。中でもアミロイド線維に含まれるペプチド鎖の2次構造が、蛋白質の天然構造の場合と比較してどの程度異なるか、という点に注目して、アミロイド線維形成能力を持つ蛋白質β_2-ミクログロブリンのアミノ酸配列のうち、ここから切り出した#21-29、#21-31,#20-41フラグメント(それぞれ線維形成能力を持つ)の線維の構造を解明することを試みた。赤外吸収スペクトルの解析から二次構造含有量を決定した。また、ペプチドのいくつかの残基に13C同位体置換を行って赤外吸収スペクトルを測定し、置換を行った残基がどの二次構造に属するか決定した。また、ラマンスペクトルの解析から、いずれの線維においてもC25残基側鎖がSS結合を形成していることを見いだした。これらの実験結果から構造を決定した。本実験から明らかになった線維構造と、天然構造との比較から、天然構造中でE22-F30に見られる「芳香族側鎖の相互作用によるβシート選択性」およびH31-I35に見られる「親水性側鎖の相互作用によるループ選択性」は線維構造中でも有効であること、天然構造中でE36-K41に見られる「荷電側鎖間相互作用によるβシート選択性」は線維構造中では必ずしも保存されないこと、が示され、線維構造の構築原理として有用な知見が得られた。
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生物物理 46(2)(in press)
110004455819
J.Am.Chem.Soc. 125
Pages: 7988-7989
Biochem.Biophys.Acta 1753
Pages: 100-107