閉鎖生態系循環式養殖システムにおける環境制御技術の確立とその応用に関する研究
Project/Area Number |
03J08955
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物資源科学
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology (2004) 東京水産大学 (2003) |
Principal Investigator |
遠藤 雅人 国立大学法人東京海洋大学, 海洋科学部・海洋生物資源学科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 閉鎖生態系 / 循環式養殖システム / 生物餌料 / 動物プランクトン / 微細藻類 / 魚類仔稚魚 / 物質循環 / ガス交換 |
Research Abstract |
本年度は平成15年度で得られた微細藻類のバイオマス生産、微細藻類-動物プランクトン間および動物プランクトン-魚類仔稚魚間のバイオマス変換効率やガス交換実験を基に閉鎖生態系循環式養殖システム全体の物質収支の算出を行った。試算は本システムの人工的な食物連鎖を利用したティラピア仔魚の飼育を想定し、それに必要なタマミジンコおよびクロレラのバイオマスを推定し、それぞれの生物における窒素およびリンの含量から物質の再循環を行わなかった際の魚体蓄積率を算出した。クロレラ-タマミジンコ-ティラピアの一連の食物連鎖から得られる魚類のバイオマスはクロレラのバイオマスの5.17%であり、窒素およびリンについてはティラピア排泄物のそれぞれ5.12%および5.54%が回収可能であると算出された。さらに酸素収支についてはクロレラのバイオマス生産時に生じる酸素量およびタマミジンコおよびティラピアの飼育に必要な酸素量を個別に算出し、比較を行った。その結果、クロレラの酸素量再生量がティラピアおよびタマミジンコの酸素消費量の2倍以上と推定され、十分な酸素供給が可能であると推定された。 さらに、昨年度製作したCERAS小型実験装置の試作装置の各水生生物を用いた動作確認実験を行い、24時間程度の生命維持は十分に可能であると確認した。一方、上記の試算により、酸素収支において余剰が発生すると推察されたことから、ガス交換以外の食物連鎖物質循環系を本装置に組み込む改良を行い、包括的な物質循環型の装置を構築した。今後は実際に装置の運用を行って生命維持の確認および物質循環を把握し、酸素および窒素、リン等の栄養塩の動態について調査する必要がある。 また、魚類飼育の際に蓄積された堆積物の可溶化実験を行い、淡水魚および海水魚の排泄物中の窒素を過酸化水素およびマイクロウェーブ分解装置を用いることで70%程度回収することが出来た。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)