大陸衝突帯における大地形の形成:断層系の時間発展と侵食・堆積の相互作用
Project/Area Number |
03J09575
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 陽一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 断層系時間発展 / 大陸衝突帯 / 侵食・堆積 / 地形発達 / 台湾 / 非線形レオロジー / 粘弾性 / チベット・ヒマラヤ / ヒマラヤ / 熱流量 / 浸食・堆積 |
Research Abstract |
大陸衝突帯における大地形の形成は大陸プレート同士の収束運動に起因する。収束運動に伴うプレート間の力学的相互作用はプレート境界面での変位の食い違い運動(すべり)で合理的に表現される。このすべりに伴う地殻変動が大地形の成長に直接的に寄与している。一方、長い時間スケールでの侵食・堆積作用は地表荷重の変化を通じて地殻内応力場を変え、プレート境界断層系の形状をも変える。本研究の目的は侵食・堆積作用がこのフィードバックプロセスにどう影響して、地形形成過程をどう改変するのかを定量的に理解することである。 本年は、米国コロラド大学でPeter Molnar教授と共同研究を行い、圧縮応力場において非線形成層構造媒質中に周期的不安定が発達する際に、侵食・堆積作用がどのような影響を与えるかを数値的に明らかにした。この研究は断層の発生に先立つせん断応力の蓄積が侵食・堆積作用から受ける影響を知る上で重要である。計算結果から、侵食・堆積作用は重力の効果を弱め、より長い波長の褶曲を発達させ、更にその発達速度を速めることが分かった。基盤層の実効粘性率が表層のそれより遥かに低い場合には、侵食・堆積作用の影響が非常に大きくなることも明らかになった。 このモデルはスケールされているので、アセノスフェア、下部地殻、岩塩層等の低粘性層の存在下での様々なスケールの問題に適用できる。この成果はJournal of Geophysical Researchに投稿予定である。その後、英国Oxford大学において、進行中の褶曲発達過程や断層形状発達過程に関する豊富な衛星データを活用して、イランやチベットについてモデルの検証に取り組んだ。 また、大陸衝突帯の中でもとりわけ断層運動に伴う隆起と侵食作用が活発な台湾島について、粘土モデルを用いて地下構造(断層形状)発達史を昨年度よりさらに詳細に研究し、成果をTectonicsに投稿した。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)