Project/Area Number |
03J09633
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長里 千香子 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 褐藻植物 / 受精 / 接合子 / セントリオール / セントリン / 父性遺伝 |
Research Abstract |
雌性配偶子由来セントリオールの消失過程における微細構造の変化を詳細に観察するため、急速凍結置換法を用いて電子顕微鏡用試料を作製した。同型配偶子接合を行うカヤモノリでは、雌雄両配偶子は共に遊泳性で鞭毛基部としてセントリオールを持っている。そのため、受精により、雌雄配偶子由来の2組のセントリオールが同時に接合子に持ち込まれる。この2組のセントリオール(チューブリンからなる三連管が9つ組み合わさってできた車輪様の構造)には配偶子および、受精直後の接合子において微細構造レベルでの形態的相違は観察されない。受精により、鞭毛軸糸が細胞内に引き込まれるが、受精後30分では、雌雄配偶子由来の2組のセントリオールには鞭毛軸糸が付着したままであり、セントリオールの構造にも変化はみられなかった。受精後1時間で、雌性配偶子由来のセントリオールにだけ変化が観察された。9つの微小管からなる三連管の一部が二連管、あるいは単管になっていること、そしてセントリオールの末端側から基部側に向け短くなっていることがわかった。さらに、受精後90分の接合子を観察したところ、より崩壊は進行しており、ほとんどの三連管が単管になり車輪様構造をもはやとらないものが観察された。受精後2時間の接合子では雄性配偶子由来のセントリオールのみが観察された。この様な微細構造観察と共に、セントリオールに存在するセントリン(20kDaのカルシウム結合タンパク質)に対する抗体を用いて間接蛍光抗体法で構造変化と分子の局在変化についての観察を行った。その結果、雌性配偶子由来セントリオールへのセントリン分子の局在が変化したのは、受精後4時間からであった。つまり、電子顕微鏡による構造変化と局在するタンパク質の消失時間に数時間の差が存在することがわかった。この結果は、日本植物形態学会で報告し、すでに論文にまとめ現在投稿中である。
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