金属単結晶上の亜酸化窒素と一酸化窒素分解の反応機構に関する研究
Project/Area Number |
03J09807
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀野 秀幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 脱離 / 角度分布 / 速度分布 / 亜酸化窒素 / 一酸化窒素 / 窒素 / 表面化学反応 / 単結晶表面 |
Research Abstract |
1.Pt(100)上のNO+CO反応で生じるN_2脱離 この反応で斜めに鋭く指向する脱離N_2を見出した。この特異なN_2脱離は反応中間体N_2Oの分解(N_2O→N_2+O)で生じると考えられる(N_2O反応中間体説)。この角度分布には結晶方位による異方性があることが明らかになった。脱離するN_2分子は非常に高速であることもわかった(並進温度約4000K)。また、脱離N_2には、再結合反応(N+N→N_2)を経るものもある。これは表面垂直方向に鋭く指向し、複数の高速成分を含む。本研究ではNO+CO反応を昇温脱離測定と定常反応の両方で行なったが、角度分布や速度分布に変化はなかった。もうひとつの生成物であるCO_2の角度分布は結晶方位による異方性を示さなかった。 2.吸着N_2Oの配向の検討 放射光を用いて測定(NEXAFS)した「Pd(110)とRh(110)上に低温で吸着したN_2Oの配向」について解析を進め、得られた結果をDFT計算やSTM測定の結果と比較し検討した。Pd(110)上の吸着N_2Oには「直立型」と「平行型」の2種類の吸着状態が混在していることがわかった。特に、後者は結晶方位に依存した異方性を示し、「表面に対し平行に吸着し一定方向に配向したN_2O」を直接観測した初めての例となった。これは共同研究者によるDFT計算やSTM測定からも支持された。一方、Rh(110)上のNEXAFS測定では、N_2Oは60Kで既に解離吸着しており、吸着量を変化させても結晶方位による異方性が見られなかった。 3.極低温におけるN_2O分解で生じる脱離N_2の角度分解測定 Rh(110)を50Kまで冷却しN_2O分解を調べた。昇温脱離で生じる脱離N_2は、約70°に指向する成分と約30°に指向する成分があることがわかっていたが、吸着N_2Oは吸着温度50Kで既に解離し、N_2は鋭く斜めに指向して脱離していた。この斜め脱離N_2には、やはり約70°に指向する成分と約30°に指向する成分があり、表面に存在する酸素量が2つの成分を分ける鍵であることがわかった。さらにN_2の脱離ダイナミクスを検討するには、並進エネルギー測定が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)