Project/Area Number |
03J10053
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
弘田 陽介 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 近代教育学 / 身体 / 言語 / ラーヴァター / カント / ゲーテ / フーコー / 野口晴哉 / 教育学 / 18世紀ドイツ思想 / 観相術 / 系譜学 / 汎愛派 / テクスト論 / ハーマン |
Research Abstract |
本年度は、最終年度として、これまでのI.カント研究およびドイツ啓蒙主義研究の成果を踏まえて、これまであまり光を当てられてこなかった通俗的身体論・医学諭・教育論関係文献を分析し、それらのテキストから当時広く普及していた身体概念および言語概念を抽出することに努めた。特に1770年代から大ブームを巻き起こし、ゲーテ、フランスの作家や医学者、心理学者たちに大きな影響を与えたJ.K.ラーヴァターの観相学をその研究の起点にし、彼の「身体が語る言語・アルファベット」という概念を他の思想家の身体論の中に見い出し、この時代の身体=言語論の一つの地図を形作ることを試みている。ラーヴァターのテキストは断片的には紹介されてはいるものの、未だ日本ではその全貌が明ちかにされていないために、本研究を現在の段階でまとめることは困難であったが、ゲーテやJ.F.ヘルバルトといった同時代人の生理学、教育学論を手がかりに、18世紀後半の身体および言語概念の特質を教育思想史学会コロキウム「啓蒙と教育」にて「近代教育学をめぐる光・眼差し・「私」の変容」として発表した。 また18世紀西洋近代という私たちにとって連続性を有しつつも、断絶した時代を研究する歴史研究の手法論として、カントというこの時代の議論の中心点となる思想へのアプローチの手法を論じた論文も作成している。『近代教育フォーラム』誌に掲載されているこの論文は、M.フーコーの『性の歴史』を参照することで、現代に生きながらもそこから離脱しつつ歴史を読み取る技法を扱っているものである。 これらのドイツにおける身体論および近代論研究をさらに際ただせるために、日本の近代化に抗した身体技法研究も進めている。様々なジャンルの人闘に影響を与え、今でも身体技法の第一人者とされる整体協会・野口晴哉のテキストから、その技を読み取る研究成果を、東京大学教育学研究室紀要に掲載予定である。
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