『詩経』および出土史料による先秦時代の婚姻・家族研究
Project/Area Number |
03J10264
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
東洋史
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小寺 敦 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 詩 / 詩経 / 共同祭祀 / 春秋 / 文字 / 彭祖 / 松本雅明 / 周公廟遺址 / 二里頭遺址 / 中国殷商文明国際学術研討会 / 北京大学考古文博学院 / 出土資料 / 上海博楚簡 / 感生伝説 / 戦国王権 / 子羔 / 楚地域 |
Research Abstract |
本年度は先秦家族史の重要史料である『詩(詩経)』に関する考察を進め、『史学雑誌』第114編第9号に「中国古代における『詩』の成立と伝播に関する一考察-共同祭祀の場との関係を中心に-」を掲載させていただいた。本稿では、『春秋左氏伝』等の文獻において『詩』が用いられる場を検討した。そして、『詩』はもともと楽師と称される職能集団によって共同祭祀の場で使用されるものであったが、西周末期から春秋初期における政治的混乱の中で、彼ら職能集団が各地に分散し、『詩』に関する知識も各地に分散した。春秋末期以降、支配統治形態が邑制国家から領域国家に向かう中、孔子集団にみられるような文字知識所有者の集団が一気に増大し、文書行政を行う官僚が出現すると、『詩』が文字で書写されるようになり、文献として編纂される契機となった。このように『詩』の成立と伝播は、単に文学史の問題ではなく、中国社会の歴史的変動と密接な関わりをもつことを議論した。また、私が参加させていただいている上海博楚簡研究会では、上海博楚簡『彭祖』の釈読を行った。彭祖とは不老長生などに関わる養生術の祖とされる伝説的人物であるが、その最も古い文獻が公開されたことになる。だが、文字の隷定など、基礎的作業を通じた検討の結果、上海博楚簡『彭祖』なる文献は養生術とは関係がなく、むしろ『荀子』などの先秦伝世文献と思想内容上の関係をもつことが明らかになった。本年度3月には中国河南省洛陽市の東周時代車馬坑(周天子駕六博物館)・洛陽博物館・古墓博物館・漢魏洛陽故城・漢代陵墓群、同雲南省昆明市の石寨山遺跡などを訪れ、資料の収集・調査を行った。北京にも短期間足を運び、資料の収集を行った。それから『史料批判研究』第7号に、松本雅明の『詩経』成立研究に関する整理およびその今日的意義について述べた文章が掲載されることになっている。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)