Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,地表・地下における撓曲成長の相関関係を利用した短縮帯における地形成長モデルの構築を目的として進めてきた. 撓曲は,地震が発生した際に地下のせん断破壊が地表まで達せず,ブロードな変形を形成するものを指す.長い時間にわたって撓曲変形が続くと,平面的に変形が及ぶ幅が大きくなる傾向が得られている.しかし,現段階では定量的な評価に至っていない.そこで本研究では東北地方の内陸盆地の横手盆地西縁断層帯をテストケースとして,地表の変形と地下の地質構造との関係について検討を行った.横手盆地の西縁には,1896年に陸羽地震が発生した際に地表地震断層が出現したことで知られている.地表の変形は,断層崖と撓曲崖が混在している.その形態の違いの要因を解明することができれば,撓曲変形の成因のメカニズムを解明することが期待できる.しかし,実際の検討には反射法地震探査による地下の地質構造の情報が絶対的に不足していることと,断層近傍に分布している河成段丘面の離水時期を示す年代試料の分析が進まず,十分な結果を得ることができなかった.そのかわりとして,より現実的な地形成長モデルを構築するために必要な因子の検討を行った.最重要因子は1回の地震に伴う断層面上の総変位量である.これは,すなわち地震の規模に相当する.次に断層の角度,震源の上位に位置する堆積層の層厚,構成地質の物性などが挙げられる.また,土質工学で研究されている圧密効果についても,因子の一つとして検討することが望ましい. 日本の多くの大都市が立地している堆積平野や内陸盆地などには,いくつかの活断層の存在が認識されており,その活動性の評価が進められている.しかし,撓曲変形については十分な議論をする材料が不足している.地震防災対策を進める上で,擁曲変形のメカニズムの解明は重要な課題であることから,今後も多角的な検討が必要であると思われる.
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