魚類耳石微細輪紋形成の分子機構:基質タンパクおよびイオンの動態の詳細な解析
Project/Area Number |
03J10657
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
水産学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
当瀬 秀和 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / 耳石 / 内リンパ液 / タンパク質 / 炭酸カルシウム / イオン輸送 / 糖タンパク質 / 石灰化 / 過飽和度 / 炭酸脱水酵素 / 細胞外基質 / 概日リズム / 微細輪紋 / 日周輪 / 細胞外有機基質 / 生鉱物化 |
Research Abstract |
前年度からの研究継続により、以下の新規機能分子の発見とその構造解析を行い、以下の成果を得た。 1)内リンパ液特異的タンパク質; 外リンパ液と内リンパ液の構成タンパク質は殆ど同じであるが、これらをSDS-PAGEに供し、特別染色法で比較し、内リンパ液特異的なタンパク質を発見した。精製したこのタンパク質の石灰化阻害活性は非常に高く、等電点電気泳動により非常に酸性度が高いこと、PAS染色により糖タンパクであることがわかった。このことから、このタンパク質は耳石形成制御因子として、内リンパ液に含まれているものと考えられた。人工的に石灰化を起こさせる環境に本タンパク質を添加することにより、形成される炭酸カルシウム結晶の形態が変化することも確かめており、結晶型の変化も調べる予定である。また、本タンパク質は非常に微量であるため、質量分析により構造解析を行う予定である。 II)新規耳石基質プロテオグリカン: 耳石基質抗体を用いたイムノスクリーニングによってクローニングした耳石基質タンパクである。演繹アミノ酸配列から予想される分子量は約60kDaで、二領域のタンデムリピートおよびグルタミン酸に富む領域が存在する。本mRNAは、内耳の耳石基質産生細胞特異的に発現する。組み換えタンパク質に対する抗体を作製してウェスタンブロットを行った結果、成熟タンパク質の分子量は350-400kDaの巨大分子であり、過度に糖鎖付加するプロテオグリカンであることが考えられた。これまで哺乳類平衡石においてグリコサミノグリカンの存在が示唆されているが、その核タンパク質の同定は初めてである。また内耳の細胞外マトリクスにおける局在を免疫組織化学で調べる予定である。また、同抗体を用いたアフィニティクロマトグラフィにより天然物を取得し、糖鎖付加などの構造や性状、活性を調べる予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)