Project/Area Number |
03J10688
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
公法学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
興津 征雄 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 行政訴訟 / 取消訴訟 / 越権訴訟 / 全面審判訴訟 / 破毀申立て / 国務院(コンセイユ・デタ) / 行為命令(アンジョンクション) / 理由の差替え / 取消判決 / 既判力 / 拘束力 / 反復禁止効 / 行政処分 / 行政行為 / 形成訴訟 |
Research Abstract |
本年度は、主としてフランスの制度・理論を素材としながら標記の課題について研究を行った。柱は二つあり、第一がフランス行政訴訟における破毀審(上告審)のあり方の分析、第二が最近のフランス行政判例における行政裁判官の権限の拡大傾向の分析である。 第一の柱は、特に行政行為取消訴訟(越権訴訟)と破毀申立てとの区別に注目して研究が進められた。この両者は元来起源を同じくしており、また長く国務院が行政事件における一審にして終審の裁判所としての地位を占めていたことから、歴史的には明確な区別が行われていなかったのであるが、1953年に地方行政裁判所が、1987年に行政控訴院が設立されて国務院の最上級審性が制度上確立した現在においてもなお、破毀審における国務院の審査方法は越権訴訟のそれに従属しており、両者の区別は容易ではないことが示された。この成果は書評という形で公にされている。 第二の柱は、1995年の行為命令立法後の行政判例の展開に着目して行われた研究である。越権訴訟における行政裁判官の権限の拡大傾向は著しく、行為命令の判断の基準時が判決時とされ(1998年)、係争行為の部分取消しが常態化し(2001年)、2004年には取消判決の遡及効を制限する判決と越権訴訟において理由の差替えを容認する判決とが相次いで現われ、「越権訴訟はもはや行為に対する訴訟ではない」との発言が国務院裁判官の口から飛び出すまでに至った。しかしながら、こうした判例の射程を厳密に確定するためには、越権訴訟と全面審判訴訟というフランス行政訴訟の最も基本的な類型の理論的意義をいま一度多方面から分析する必要がある。今年度はそこまでの作業はなしえておらず、第二の柱の研究業績の公表は次年度以降の課題となる。
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