嗅皮質「勾い分子地図」の機能解析から情動の神経機構解明へ
Project/Area Number |
03J11290
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
神経科学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 雄二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 嗅皮質 / 嗅球 / 内因性信号光学測定法 / 匂い分子地図 |
Research Abstract |
嗅皮質における匂い情報処理機構を解析する為に、感覚地図である「匂い分子地図」の構成原理を明らかにする事を目的に実験を進めた。内因性信号の光学測定法は比較的非侵襲性であり、感覚皮質の機能地図の解析に広く用いられている事から、本研究でもこの手法を用い解析を進めた。匂い分子単品、合成香料などを刺激として用い、それぞれの匂い刺激が嗅皮質上でどのように空間的に表現されているか解析を行った結果、それぞれの匂い刺激は嗅皮質の特定領域を活性化し、この空間パターンは異なった動物間でも保存されている事が明らかとなった。 また、嗅皮質の機能解析を進める為には、嗅球「匂い分子地図」から更に情報処理の進んだ段階であると考えられる。従って、嗅皮質の機能解析を進めるためには、嗅球「匂い分子地図」の構成原理とその機能の理解が必須である。そこで、嗅球「匂い分子地図」の詳細な解析を行った。内因性信号の光学測定法と様々な匂い分子群を用い解析した結果、嗅球「匂い分子地図」上では、個々の糸球の活性化する匂い分子構造の特徴が、漸進的に体系的に表現されている事が明らかとなった。この成果は国際学会と論文で発表した。また、嗅球「匂い分子地図」の機能的意義を解析する為に、動物行動にとって重要な腐敗した食べ物から発せられる異臭の主な原因である、アミン類、脂肪酸類、アルデヒド類の匂いが、嗅球「匂い分子地図」上でどのように情報処理されているのか解析した。その結果、嗅球背側面の吻内側部に位置する糸球群が、これら匂い分子群の知覚に重要であり、また料理における香辛料を用いたこれら異臭のマスキングには、嗅球内局所神経回路での側方抑制が重要である事が明らかとなった。この成果は国際学会と論文で発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)