成長ホルモンパルスを介した中枢性代謝制御機構に関する研究
Project/Area Number |
03J11358
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
基礎獣医学・基礎畜産学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 智洋 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 成長ホルモン / パルス / ニューロペプチドY / 成長ホルモン放出ホルモン / ソマトスタチン / シバヤギ / 性周期 / エストロゲン / プロゲステロン / IGF-I |
Research Abstract |
【背景と目的】成長ホルモン(GH)はパルス状に分泌されており、そのパルスパターンが糖脂質代謝や摂食行動を調節していると考えられるため、GHパルス発生機序の解明は、ホメオスタシスの制御機構を知るうえで大変重要である。 本研究の採用1年目では、複数のホルモンを同時に観察できるシバヤギを用い、性ステロイド環境の変化によるGHパルスの変動について明らかにした。採用2年目となる本年度は、1年目に明らかにしたGHパルスパターンの、脳脊髄液(CSF)中神経ペプチドによる制御機構について追求した。 【材料と方法】成熟シバヤギ(2-4歳齢)の卵巣摘除雌(OVX)、エストラジオールを投与したOVX雌の実験区をもうけ、15分おきにCSFと血液を採取した。GH、GH放出ホルモン(GHRH)、ソマトスタチン(SRIF)、ニューロペプチドY(NPY)を測定した。 【結果と考察】OVXヤギのGHパルスは、CSF中GHRHとの正の相関よりも、むしろNPYとの負の相関が強く認められた。また、NPYの脳室内投与実験により、NPY存在下ではGHの放出が抑制されることが示された。これらの結果より、OVXヤギのGHパルスは、従来の仮説のようなGHRHとSRIFによる制御のみならず、NPYによる抑制作用によって形成されることが示された。次に、エストラジオール皮下投与によりGHパルスが増大したOVXヤギでは、CSF中GHRHパルスの増大が見られる一方、NPY濃度は著しく減少し、GHパルスとの相関が失われた。 これらの結果より、GHパルス発生機構は、GHRHとSRIFの単純な二重支配によるものではなく、NPYを含めた包括的な制御機構によって形成されていることが示された。また、状況に応じてパルス形成の主導となる神経ペプチドが変化することで、GHパルスの発現を調節して、ホメオスタシスの調節を行っていると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)