Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
セメント硬化体の材料レベルにおける靭性向上法として,膨張材を添加したコンクリートの伸び能力向上効果に着目し,マッシブな膨張コンクリート中に埋め込まれた鉄筋の引き抜き試験を行った.その結果,圧縮域における膨張コンクリートの付着特性は膨張反応によっても阻害されないことを明らかにした.また両引き試験により付着特性を検討した結果,膨張材を使用した場合には,伸び変形能力と,ひび割れまたは境界面周辺における鉄筋節まわりの微細ひび割れが抑制されることの相乗効果によって付着性状が良好に保たれることが明らかとなった. また,鉄筋コンクリートという部材レベルでの部材靭性の向上手法の研究も同時に行った.具体的な方法として,部材内にプレートを入れることで鉄筋コンクリート内に導入されるひび割れの経路を操作,迂回し,斜めひび割れ後に形成されるアーチ機構をより有効に発揮させる手法を提案した.このプレートを埋め込んだ長さ2メートルほどの梁試験体33体で構成されたシリーズ実験を行った.この網羅的な実験を通じて,軸方向にプレートを配置した場合の部材耐力算定式を提案し,静的タイドアーチモデルによる理論的な導出手法と,実験結果との照合による算定式の適用性を示した.さらに任意の配置での耐力算定が可能となるようにモデルを拡張し,先行ひび割れを有する部材の保証耐力を求める簡易的評価手法を提案した.一方で,プレートを埋め込むことによるせん断耐力向上効果を高める方策として,プレート面形状を人工的に操作する手法を提案し,実験的な検証を行った. これらとは別に,アルカリ骨材反応によって,実構造物の鉄筋が破断するという問題のメカニズム解明を目標とした実験を行った.鉄筋の詳細な引張ひずみ分布から,隅角部周辺での曲げ戻し効果が卓越し,隅角部内側において引張ひずみが局部的に大きくなることを実証した.
|