Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は,マイクロ流体素子を用いた反応場の構築と分離場の構築の二つに大別される。まず,微小反応場の構築に関しては,ナノリットルオーダーの微小液滴ディスペンサーの応用として,部分的な液体交換可能とする微小構造を作製することで,多数の反応条件を非常に簡便な操作によって形成することのできるデバイスの設計と評価を行った。そして生化学反応系への利用として,タンパク質結晶化における最適な濃度条件の探索等への応用を行った。また,液滴を用いた回分反応のみならず,連続的な多数の濃度条件の形成を可能とする流体分配器の設計と評価を行い,細胞増殖に与える影響の評価へと応用できることも確かめた。 一方,分離場の構築としては,主として細胞などをターゲットとした新しい微粒子の分級手法・構造を提案し,実際にその効果を評価した。マイクロ流体デバイスは,その大きさがマイクロメートルサイズの細胞や粒子とぼぼ同じであるため,今までにない粒子分離プロセスが実現されると考えられている。そこで,本年度は,前年度提案したPFF(ピンチド・フロー・フラクショネーション)法の発展として,非対称PFF法の提案を行い,実際に細胞等の分離へと応用することによってその有用性を確認した。さらに,粒子の濃縮と分離を同時に可能とする手法である水力学的フィルトレーション法を提案した。そして実際に流路幅5〜500ミクロン程度の流路を作製し,粒子の分離・濃縮を行ったところ,マイクロメートルの粒子の濃縮と分離が同時に可能であることが確かめられた。さらに,血球細胞等の生体粒子への応用も可能であった。この手法は,純粋に水力学的な力のみによって,粒子の連続的な濃縮とサイズによる分離を可能とするため,今までにない新しい分離ツールとして様々な分野で利用されることが期待される。
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