Project/Area Number |
03J11933
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
細胞生物学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平林 祐介 東京大学, 大学院・新領域創成科学科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Wnt / 大脳発生 / 神経系前駆細胞 / neurogenesis / beta-catenin / neocortex / neural precursor cell |
Research Abstract |
前年度までの研究で、「大脳発生中期」(マウス胎生11〜15日目頃)に由来する神経系前駆細胞においてWnt-β-catenin経路がNeurogenin 1(Ngn1)の発現誘導を介しニューロンへの分化を誘導的に促進することを報告した。しかし、「大脳発生後期」(出生前後頃)の神経系前駆細胞において活性型β-cateninを発現し、Wntシグナルを活性化させてもニューロン分化が誘導されない事が明らかになった。そこで本年度はこのメカニズムについて検討を行った。その結果、活性型β-cateninを発現しても後期神経系前駆細胞においてはNgn1の発現が見られなかった。一方でNgn1を発現した場合には発生中期・後期いずれの神経系前駆細胞もニューロンに分化した。そこで次に発生後期になるとβ-cateninによるNgn1の発現が誘導されなくなるメカニズムについて調べた。Ngn1プロモーター領域の制御について調べたところ、この領域を含むクロマチンのHistoneH3のアセチル化レベルが発生後期になるにつれて低下していた。またHistone deacetylase (HDAC)阻害剤であるValproic acidを神経系前駆細胞に処理したところ、Ngn1発現量の増加が見られ、またこの発現量の増加は中期に比べ後期の神経系前駆細胞の方が顕著に見られた。このことはNgn1のプロモーター領域が発生後期になるとHDAC依存的なメカニズムにより早期よりも転写されにくい状態になっており、その結果Ngn1が発現誘導されにくくなっていることを示唆している。 以上の結果は、神経系前駆細胞が発生過程において多分化能を失っていく細胞内因性の分子メカニズムの一つとして、Ngn1プロモーターのepigeneticalな制御が存在することを示唆している。
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