Project/Area Number |
03J50191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物理化学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷池 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | Co / Al_2O_3触媒 / NO-CO反応機構 / 密度汎関数法 / γ-Al_2O_3 / 表面構造 / 第一原理計算 / 触媒 / 反応機構 / ガンマアルミナ / NO / CO / コバルト / 表面 / 吸着 |
Research Abstract |
本年度は前年度に続き、Co^<2+>dimer/γ-Al_2O_3触媒上における新規NO-CO反応機構の第一原理計算による解明に取り組んだ。 近年、我々はCo^<2+>dimer/γ-Al_2O_3触媒上において、表面上に存在しないCO分子によって、2NO+CO→N_2O+CO_2反応が従来型含浸Co/γ-Al_2O_3触媒の約50倍もの活性で進行し、NOの平衡吸着量が2-3倍にも増加する、という新規現象を見出した。この現象は、COのようなspectator分子が、強く吸着している反応物の吸着状態・反応性を大きく変化させるという点で、従来の触媒反応とは全く異なっており、新たなタイプの表面触媒反応の創出につながる可能性が非常に高い。しかし、触媒の活性構造・NOの吸着状態・反応機構に関する知見は乏しく、申請者は密度汎関数法によってこれらを解明することに取り組んだ。 申請者は、これまでの計算で求めたγ-Al_2O_3表面にCo^<2+>dimerを様々な方法で吸着させることで得られる数十個のモデルを計算し、Co^<2+>が表面T_dsiteに入ったモデルのみが全ての実験結果を満たすものであることを発見した。導かれCo^<2+>dimerモデルは隣り合うCo^<2+>の非占有d軌道が互いに向かい合う特殊な配向を取り、新規現象発現の鍵となる吸着子間相互作用を示すことを発見した。次に、2NOをモデル触媒に吸着させ、2つのgeminal種,1つのcis-(NO)_2dimer種を導いた。特に、片方のgeminal種は、NOの吸着に伴いCo^<2+>周りの表再構成を伴う安定種で、COにより増加する吸着種である可能性が非常に高い。また、驚くべきことにcis-(NO)_2dimer種は、一般的なgeminal種と同等の振動数を与えるばかりか、COとの反応性が最も高く、従来型触媒の50倍の活性を与える吸着種であると結論した。
|