Project/Area Number |
03J50961
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
宗教学
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
星野 光樹 國學院大學, 神道文化学部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 大祓 / 六人部是香 / 本居宣長 / 平田篤胤 / 天津祝詞 / 善祓・悪祓 / 神社の祠官 / 尊王攘夷 / 伴信友 / 日中神事記 / 幽冥政 / 産霊 / 仁慈・誠忠 / 祭式 |
Research Abstract |
今年度は、前年に引き続き、国学者六人部是香を中心に、近世から近代にかけて、復古的な祭儀が登場する意義と背景を明らかにすることを試みた。この成果については、「幕末維新期における国学と大祓-六人部是香を中心に-」(『明治聖徳記念学会』、第40号、2004年12月号)に所収されているので、以下その概要を示すことにする。 国家儀礼である大祓の廃絶後、近世には私祈祷の要請により、祠官の間でも広く中臣祓が奏上されていった。そうした動きを批判し、大祓が国学者達に顧みられる中で、いかに実践されたのかについては、十分な検討はなされていない。 本居宣長は、禍津日神を禍の根本原因に据えたが、やがて、この神が祓の神として、その禍を除去するという「吉凶交代史観」を展開した。世の中の凶を吉へと展開させ、災禍を祓うという宣長の祓の説は、祓の神々への信仰を通して、より積極的に実践を主張した平田篤胤に繋がる。篤胤は、心の穢れが、神々の恩恵の障りとなる事を国学者として主張し、祭祀の重要性を主張した。そうした宣長・篤胤の祓理解を継承した国学者の一人に六人部是香も位置づけられる。 是香は、大祓を神道の古儀として重視し、その実践において独自の見解を述べている。一つには、「天津祝詞」を奏上し、「誠忠」に生きる上で、「善祓」における「福」を正当化する論が示されている。二つ目に、是香は大祓を「善祓」「悪祓」を実践する儀礼とし、貞観儀式に見える「大麻」と「切麻」がこれに該当するとして、復古的な祭式次第書を作成した。 是香が大祓の実践を主張した事には、疫病の流布というた社会全体に関わる問題に対して、大祓に宗教的役割な役割、更に幕末期における尊王攘夷思想の高まりに呼応する形で、国家に偉業を遺す理想的人格を形成しようとする役割を大祓に求めたことが指摘できよう。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)