Project/Area Number |
03J52821
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Economic theory
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
阿部 太郎 神戸大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | グローバリゼーション / 南北経済 / 不均等発展 / 労使交渉 / 技術進歩 / 労働移動 / 余剰労働 / 交易条件 / 経済成長 / 資本自由化 / 多国籍企業 / 所得分配 / ポスト・ケインジアン |
Research Abstract |
1.多国籍企業と北の労組が北の所得分配をめぐって対抗しており、南北間を資本が自由に移動する下で、北の賃金主導型成長が可能になるための条件を検討した。主な結論は、資本移動自由下で賃金主導型成長が成立する条件は、多国籍企業の価格調整速度と直接投資の性質に依存するというものである。このような結論が得られる原因は、直接投資の性質によって、南の交易条件と直接投資が行われる外国部門利潤率の関係が異なるためである。 2.グローバリゼーションの進展による国際競争の激化が、南北格差を拡大させるかどうかについて検討した。Dutt(1988)のような従来の研究では、貿易収支均衡を仮定しており、その場合、国際競争の激化が北のマークアップ率を減少させた時、南北格差は必ず縮小する。しかし、本研究ではこの仮定を外し、南の債務が南の資本蓄積に負の影響を与える効果を考慮して分析を行った。その結果、北の独占度の減少が南の輸入を大きく増大させた場合、南北格差が拡大する可能性があることが示された。 3.Findlay(1980)を基にして、南の経済の余剰労働経済から非余剰労働経済へのレジーム転換を考慮しながら、南北の技術進歩による南北の一人当たり所得への通時的な影響を検討した。主な結論は、南北の消費財輸入需要の価格弾力性が十分大きい場合、十分大きな南北の技術進歩が起きると、南の一人当たり所得は余剰労働が消滅するまでは通時的に下落するが、その後は上昇するというものである。 4.Wooton(1985)を基にして,南北間での資本移動自由下で,北の一時的移民受け入れ政策が南北の一人当たり所得に与える影響や南北それぞれの政府の課税政策について論じた。主な結果は、長期において、北の移民受け入れ緩和政策は、北の労働者と移民労働者の1人あたり所得には影響を与えないということと、北が移民労働者への差別的な再分配政策を行っている場合は、北の移民受け入れ緩和により、北の一人当たり所得は上昇するというものである。
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