Bリンパ球の増殖、分化とNF-κB活性化に関する研究
Project/Area Number |
03J61509
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
免疫学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加来 寛明 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CD38 / NF-κB / Bリンパ球 / 抗体産生 / クラス変換 / 増殖 / PI3-K / PLC-γ2 |
Research Abstract |
【目的】我々はBリンパ球上に強く発現するCD38に着目し、マウス脾臓Bリンパ球上のCD38を抗CD38抗体で架橋すると、増殖反応、IgG1へのクラス変換に必要な胚細胞型γ1RNA転写の誘導が起こることを報告してきた。私はこれまでにCD38刺激におけるBリンパ球の活性化はNF-κB依存的であり、その過程にBtk、PI3-K、PLC-γ2が必須であることを明らかにしてきた。本研究はさらに解析を進め、NF-κBの活性化を指標として、Bリンパ球におけるCD38のシグナル経路を探索することを目的とする。今年度はBASHや細胞外カルシウム流入がCD38シグナルへ関与するか否かの解析を行った。 【方法】野生型及びBASH欠損Bリンパ球を用いて、CD38刺激し、NF-κBの活性化をEMSAで、胚細胞型γ1RNA転写をRT-PCRで、増殖反応をチミジンの取込みにより評価した。また細胞外カルシウム流入がそれらの現象に必須かどうかを調べる目的で、EGTA処理した培地を使用した。 【結果】BASH欠損Bリンパ球とも野生型Bリンパ球と比較して、顕著にCD38刺激によるNF-κBの活性化が減弱していた。またBASH欠損Bリンパ球ともCD38刺激による胚細胞型γ1の転写や増殖反応が著しく減少していた。さらにEGTA処理した培地ではCD38刺激によるNF-κBの活性化に異常が認められた。 【結論】CD38刺激によるNF-κBの活性化、胚細胞型γ1の発現誘導、増殖反応に、BASHや細胞外カルシウム流入が必須の役割を果たすことを明らかにすることができた。この解析により、CD38シグナル上流は、BCRまたはGTP結合タンパクに、関連するかもしれないことが推測出来た。今後の課題としては、その上流分子を解明することであり、それによりBリンパ球のCD38の生体内の役割を明らかにできるだろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)