Project/Area Number |
03J61511
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物系薬学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 大腸癌 / ムチン / 糖鎖 / N-アセチルガラクトサミン転移酵素(pp-GalNAc-Ts) / N-アセチルガラクトサミン(GalNAc) / レクチン |
Research Abstract |
癌が転移性を獲得すると癌細胞表面上の糖タンパク質の発現変化が起こる。上皮性の固形癌におけるこれらのマーカー糖タンパク質はO-結合型糖鎖を多く有するムチンであるが、癌の進行による変化がムチンコア蛋白遺伝子の発現変化によるか、糖鎖構造の変化によるかは明らかでない。O-結合型糖鎖構築はN-アセチルガラクトサミン転移酵素(pp-GalNAc-Ts)によってタンパク質上のセリン(Ser)あるいはスレオニン(Thr)残基にN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)が転移して開始される。 私は癌の進行に伴うpp-GalNAc-Tsの発現変化がムチンの構造と発現に影響を及ぼすと考え、大腸などに多く発現し、Thrを多く含む分泌型ムチン(MUC2)へのGalNAc付加の規則性について研究してきた。マウス大腸癌細胞株colon38とその肝高転移株SL4における既知のマウスpp-GalNAc-Tsの遺伝子発現レベルをcompetitive RT-PCR法を用いて比較したところ、pp-GalNAc-T1、T2、T4、T7の発現はSL4細胞の方がcolon 38細胞よりもわずかに高かったのに対し、pp-GalNAc-T3の発現はcolon 38細胞の方がSL4細胞よりも65倍高いことを明らかにした。両細胞の細胞表面糖鎖の違いは種々のレクチンの結合性の違いにより明らかになっており、pp-GalNAc-Tsの発現変化による糖鎖抗原発現への影響が考えられた。両細胞のミクロソーム画分を酵素源とし、MUC2ペプチドを基質としてGalNAc付加数およびGalNAc付加位置を調べたところ、ペプチド上のGalNAc付加位置は両細胞間で異なり、最大GalNAc付加数はcolon 38細胞ミクロソーム画分を酵素源とした場合は6個であったのに対し、SL4細胞ミクロソーム画分を用いた場合は4個であることを明らかにした。また、pp-GalNAc-T3のみをcolon 38細胞ミクロソーム画分から免疫沈降法により除いた場合、MUC2ペプチドに対する最大GalNAc付加数が4個になったことから、両細胞の糖鎖修飾の違いがpp-GalNAc-T3の発現量の差を反映していると考えられた。 さらに、pp-GalNAc-T3をSL4細胞に遺伝子導入し、ムチン発現・細胞表面糖鎖・転移性・増殖性に変化がみられるか検討した。
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