Project/Area Number |
03J61516
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
細胞生物学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 高史 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 転写制御 / TGF-β / BAMBI / SMAD / Wnt / 大腸癌 / β-Catenin |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続きTGF-βシグナル伝達経路の抑制因子BAMBIの解析を行った。昨年度までの研究でBAMBI遺伝子の発現がWntシグナル伝達経路により正の制御を受けることを明らかにしたが、本年度は新たに、BAMBI遺伝子がTGF-βシグナル伝達経路によっても正の発現制御を受けることを見出した。まず、TGF-β刺激に対するBAMBI遺伝子の誘導は刺激後1時間で既に確認され、BAMBIタンパク質の発現もそれに引き続いて上昇することを確認した。さらに、この誘導はタンパク質合成阻害剤シクロヘキシミドによる影響を受けないことから、他のタンパク分子の発現誘導による二次的な現象ではないことも明らかとした。次に、ルシフェラーゼレポーターアッセイとゲルシフトアッセイにより、この制御はTGF-βシグナル経路の伝達因子であるSMAD転写因子がBAMBI遺伝子プロモーター上流、255bpから176bpの領域に結合することによる直接の制御であることを明らかにした。本研究成果は、Biochem Biophys Res Commun.誌にて発表した。 次に、昨年度の研究によりBAMBIが87番目のアスパラギン残基に糖鎖修飾を受けることを見出したが、本年度はその糖鎖修飾の生理的意義を探究した。まず、87番目のアスパラギン残基をグルタミン残基で置換し、糖鎖修飾を受けなくなった変異体を作成し、細胞内局在を解析したが、野生型と比較し著明な差異は確認されなかった。次に、ルシフェラーゼレポーターアッセイによりこの変異体のTGF-βシグナル伝達抑制能を解析したが、野生型と同様の活性を維持していることが確認された。以上の結果より、BAMBIの糖鎖修飾は生理的に重要な機能を有さないであろうと推測するに至った。
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