Project/Area Number |
03J61536
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物系薬学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 隆之 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | TRAF6 / TIFA / TIFAB / IL-1 / TGFβ / TLR / Toll様受容体 / サイトカイン / 急性期タンパク質 / 肝細胞 |
Research Abstract |
我々は以前、炎症性サイトカインInterleukin-1(IL-1)αがマウス肝細胞における機能的なToll-like receptor(TLR)2の発現を増強させること、細菌由来のリポペプチド(BLP)が、TLR2を介して肝細胞からの血清アミロイドA(SAA)の産生を誘導することを報告している。本研究では、抗炎症性サイトカインTGF-βの肝細胞におけるTLR2発現におよぼす影響を調べた。TGF-βは、mRNA,タンパクレベルともにマウス肝細胞におけるTLR2の発現を増強した。BLPで誘導されるSAAのプロモーター活性はIL-1αの前処理で増強された。しかし、TGF-βやTGF-βとIL-1αで前処理すると増強されなかった。IL-1αによるTLR2のプロモーターの活性化や、NF-κBの活性化はTGF-β前処理により強く抑制され、その抑制とI型IL-1レセプター(IL-1RI)のmRNA発現レベルは一致した。IL-1αはIL-1RIのmRNA発現を増強したが、TGF-βで処理することにより抑制された。この結果は、TGF-βはIL-1RIの発現を抑制することにより、IL-1αによるTLR2の発現誘導を抑制することを示唆している。これらの結果はまた、肝細胞におけるTLR2を介するSAAの発現におけるIL-1αとTGF-βの違いを示している。 Tumor necrosis factor receptor (TNFR)-associated factor (TRAF)ファミリータンパク質は、TNFRスーパーファミリーやToll/IL-1Rファミリーに属するレセプターからのシグナル伝達において重要な役割を担っている。当研究室では、TRAF6がIL-1R、CD40、RANKなどの炎症免疫反応で中心的な役割を果たすレセプターのシグナル伝達に必須であること、さらに骨形成、皮膚付属器官形成、リンパ節形成や神経管形成などヒトにおける種々の疾患に深く関連する器官の形成にも必須であることを明らかにしている。我々は、TRAF結合タンパク質TIFA(TRAF-interacting protein with a forkhead-associated domain)と、その類似タンパク質TIFABを同定し、これらの分子がTRAF6と三者複合体を形成すること、TIFABはTIFAを介した転写因子NFκBの活性化を阻害することを見出した。このことは、TIFAおよびTIFABが、TRAF6の関わるシグナル伝達において重要な調節因子であることを意味している。さらに今回TRAF6欠損マウスを用いた解析により、TRAF6はMyD88依存的なTLRシグナルにも必須であることを示した。
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