細胞周期制御分子を用いた造血幹細胞の体外増幅の試み
Project/Area Number |
03J61556
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
血液内科学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 友亮 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 自己複製 / 細胞周期 / c-Myc / 細胞周期制御分子 |
Research Abstract |
本研究では、造血幹細胞の自己複製における細胞周期制御分子の役割に注目し、以下の研究を行った。 これまで、Notch1,HOXB4といった分子が造血幹細胞の自己複製を促すことが報告されていることから、まずはじめに、マウスLin^-Sca-1^+細胞に、4-hydroxytamoxifen(4-HT)によってNotch1活性が誘導されるNotch1/ERTとHOXB4をレトロウイルスを用いて導入し、各種の解析を行った。Notch1/ERT導入細胞は、4-HT非存在下では、SCF、FLT3L、IL-6などのサイトカイン存在下でも14日以上増殖できなかったのに対し、4-HT存在下では14日以上増殖を続けた。同様に、Mockベクター導入細胞は各種のサイトカイン存在下でも14日以上増殖できなかったのに対し、HOXB4導入細胞は同様の条件下で14日以上増殖した。培養7日目の細胞周期制御分子の発現を半定量的RT-PCR法によって解析したところ、Notch1およびHOXB4の発現を誘導した細胞では、c-myc, cyclin D2,D3,EおよびE2F1の発現上昇が認められた。他の細胞種において、c-Mycは単独で細胞増殖を誘導することが報告されていることから、4-HTによりc-Mycの活性が誘導されるMyc/ERTをマウスLin^-Sca-1^+細胞に導入し、SCF、FLT3L、IL-6などのサイトカイン存在下で培養した。Myc/ERT導入細胞は4-HT添加時のみ未分化な表面形質を保持した状態で28日以上増殖した。また、コロニー形成能とテロメレース活性の上昇が認められた。次に、Myc/ERT導入細胞の生体内での機能を評価する目的で、移植実験を行った。その結果、Myc/ERTで増幅した細胞は6ヶ月以上にわたり、骨髄単球系、B細胞系、T細胞系の3血球系統の造血を支持した。更にNotch1,HOXB4がc-mycプロモーターを活性化すること、およびNotchシグナルによってc-mycプロモーター内の-195から-161の領域にDNA結合蛋白が形成されることが、明らかとなった。 以上の結果より、細胞周期制御分子c-MycはNotch, HOXB4の下流で造血幹細胞の自己複製を促すと推測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)